ボートハウスドック様
私の選手の何人かが医者に膝蓋骨骨軟骨炎あるいは膝-大腿痛症候群であると言われております.これらの障害がトレーニングを妨げる可能性を少なくするにはどうすればよいのか教えて下さい.
Division I 一女子コーチ
コーチ殿
まず第一に、この障害を悪化させないようにトレーニングプログラムを変えようとしていることに敬意を表します.膝-大腿痛症候群と膝蓋骨骨軟骨炎は女子選手には非常によくある障害です.基本的には、膝前面の痛みはおそらく膝蓋骨の裏側の軟骨の変性によるものといわれております.この場合、痛みの他に膝を伸ばしたときのグリグリした感じや、不安定な感じや、場合によってはその部が腫れることもあります.残念ながら漕手にとってのいくつかのトレーニングはこの状態を悪化させることが多いのです.たとえば、階段の上り下りやジャンピーやディープスクワットなどがそうです.漕手は大腿四頭筋や殿部筋群が発達していますが、これらの筋群が動くときに膝蓋骨の裏側の圧力が増して、このような障害を有する選手では症状を悪くするのです.
この障害をかかえる選手ではスクワットは床と平行な角度を越えないようにとどめるかできればクオータースクワット(四分の一スクワット)をおすすめします.症状がある場合には、ニーエクステンションエクササイズと同様にジャンプクロンウェルやジャンピーは避けるようにしています.階段を歩いてまたは走って下ることはこのグループでは実に痛いことです.コーチは階段などすべてを避けなくても、これには十分な時間をかけるべきです.最後に予防的ストレッチやストレッチプログラムをこれらの選手に課すべきです.これがたぶん症状を出さないための最善の方法でしょう.
強化エクササイズは内側広筋(大腿四頭筋のひとつ、VMO.膝頭の内側の小さな筋肉)を強化するために考案されたものですが、非常に簡単で足首の重量を利用して行うものです.
両手両膝を床についた四つん這いの姿勢で、片手とその反対側の脚をまっすぐに水平に伸ばして体幹の筋肉を緊張させる運動です.五つ数えるまでその延ばした姿勢を保ち、つぎに腕と脚を変えてまた同じことを繰り返す.これを15回、2セット行う.セット間には数分のあいだをおく.足首と手首にはウェイトをつけて強度を上げてもよい.
どんな予防的エクササイズにも少なくともひとつは大事な考え方があるのです.
"If you don't do them, they don't work!"
[訳:舟山裕士, Boathouse Doc/US Rowing(June 2000)]